機の音 はたのね

きものに関連する様々なことを書き残すブログです。

きもの文化ノート 本文3-7

きもの文化について自分の参考資料として私見を書いています。本文は順不同に、内容を膨らませながら書いています。参照される方はご了承の上、ご覧ください。なお、無断でのコピーや転載はご遠慮ください。追記・修正箇所は太字・下線にしています。

 

第3章 織りのきもの
 第7節 有名産地

  1 大島紬
    本場大島紬奄美大島鹿児島市近郊などで織られています。さらりとした地風が特徴です。紬の名称で呼ばれますが、現在は紬糸ではなく生糸で織られています。

    泥大島では絣筵を地元に自生するテーチ木(車輪梅)の煮汁で20回ほど染め、専用の泥田に1回浸してもみこみます。この工程を数回繰り返すことでテーチ木に含まれるタンニン酸が染料となり、媒染として泥に含まれる鉄分が化合し渋い艶やかな茶褐色が出るとともに、泥染めをすることで、布がしなやかになります。

    泥大島のほか、藍染めの糸を使用する藍大島、白大島などがあります。

    一元絣(ひともとかすり) 経緯ともに絣糸、地糸2本で構成する絣です。  

  2 結城紬
    生産地は、茨城と栃木の両県にまたがっています。

    繭から袋状の真綿をつくり手紡(つむ)ぎした紬糸を使い、地機(じばた)で織ります。

    絣は手括りを原則としています。やわらかくて軽く、「三代着て味が出る」と言われています。

   3 西陣

    綴織(つづれおり) 中指の爪または櫛で緯糸をかき寄せながら織っていく伝統的な技法です。緯糸経糸を包み込むように織っていくので、経糸は織りあがったときは見えません。またジャカード機を使わずに経糸の下に図案を置いて、下絵に従って色緯糸を小杼で織り込んで織っていきます。色緯糸は織物の全幅に通ることなく、その部分のみに織り込まれていくので、色緯糸の境に隙間ができます。これを把釣孔といいます。

    紋織物 ジャカード機を使って経糸緯糸の組み合わせで模様を織り出す織物をいいます。その織物の設計図は紋図と呼ばれています。

    ぼかし表現 色をはめ込んで重厚さを表す繧繝(うんげん)や点の密度で濃淡を表す砂子(すなご)、一越の中に2色の糸をその部分が重なるように織り込んでいく染み込みの技法が使われます。

    経錦(たてにしき) 経糸によって紋様を織り出している織物で、3色の配色のものであれば3色3本の経糸を1組として、これが交互に浮沈みして地や紋様を織り出します。

    緯錦(ぬきにしき) 多数の絵緯糸を用いて様々な紋様を織り出したもので緯糸の色数には制限はありません。

    製造工程

     企画・製紋 図案家が柄のデザインを考え、図案をもとに柄の設計図である紋意匠図を考えます。紋意匠図のメートルという部分には緯糸の種類と入り方が示されています。緯糸の両端がどの経糸まで織られるかを升目に指示彩色することを把釣りといいます。

     整経(せいけい) 織物の長さに合わせて経糸を準備します。

 
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