きもの文化ノート 本文3-2
きもの文化について自分の参考資料として私見を書いています。本文は順不同に、内容を膨らませながら書いています。参照される方はご了承の上、ご覧ください。なお、無断でのコピーや転載はご遠慮ください。追記・修正箇所は太字・下線にしています。
第3章 織りのきもの
第2節 紬
1 紬
紬は先染め、平織の織物です。(糸を染色して織り上げるものを先染めといいます。)紬は産地の名前を付けたものが多く、真綿糸や玉糸などを用いており、ざっくりした感触の生地が多くあります。柄は縞や格子、絣が一般的です。
紬の反物などは、織りあがった反物をお湯に通して糊気を抜く湯通しを行います。
2 十日町紬
先染めの絹織物で十日町絣ともよばれます。
3 村山大島紬
絣技法として板締めを使用しています。
4 置賜紬(おいたまつむぎ)
紅花などの草木染で知られる米沢紬、沖縄の絣の影響を受けた米琉(よねりゅう)などの絣織で知られる長井紬、板締めで絣糸を作る白鷹お召などの織物があります。
5 信州紬
長野県内で織られている紬の総称で、古代の絁(あしぎぬ)をルーツとしています。なかでも上田紬(上田縞紬)は裏地を3回取り替えるほど丈夫なことから三裏縞(みうらじま)と呼ばれました。
6 塩沢紬
新潟県南魚沼市周辺で織られている紬です。越後上布の伝統技術を絣糸作りに取り入れた細かい絣模様が特色です。
7 黄八丈(きはちじょう)
本場黄八丈は八丈島で織られている、江戸時代の町人女性にもよく着られていたという、黄、茶、黒の三色が基本の光沢のある絹織物です。島内で自生する植物で染めた糸を使用します。
「泥染」の染色技法を使っています。
秋田八丈は、秋田で作られている草木染の絹織物です。秋田県内の海岸に自生するハマナスから染めた鳶色、秋田刈安とヤマツツジで染めた黄色を基本に縞や格子を織り出します。
8 郡上紬
岐阜県郡上市で織られている紬です。暖かさと柔らかさ、肌触りの良さが特徴です。
9 久米島紬
植物染料の染めに泥染を併用しています。
10 首里織(しゅりおり)
沖縄が琉球王朝であった時代に織られていた織物の総称です。中国や東南アジアの影響を受け、洗練された意匠と紋織や絣など多彩な技法をもつことに特徴があります。上流階級の衣料として発展してきました。伝統的工芸品には、首里絣、首里花織、首里花倉織(はなくらおり)、首里道屯織(ろーとんおり)、首里ミンサーが指定され、素材は絹の他、木綿、麻、芭蕉とされています。
読谷山や首里の花織は浮き織によって花を表現する織物で、首里花織は経糸と緯糸の両方が浮き織になっているのが特徴です。花綜絖とよぶ糸を吊り下げた装置を持った独特の織機を使い、浮き織で緯糸を浮かせて織ることで模様を表します。
花倉織(はなくらおり)は絽織と両面浮き花織を組み合わせた織り方で、捩られた部分が透かしになります。
首里絣の中で格子の中に絣を入れた柄を手縞(てじま)といいます。
11 牛首紬(うしくびつむぎ)
白山山麓で織り継がれる牛首紬は大変丈夫な為に、釘抜き紬とも呼ばれています。糸は2匹の蚕が1つの繭をつくった玉繭から手で座繰りを行い、糸を引き出したものです。
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