機の音 はたのね

きものに関連する様々なことを書き残すブログです。

きもの文化ノート 本文8-5

きもの文化について自分の参考資料として私見を書いています。本文は順不同に、内容を膨らませながら書いています。参照される方はご了承の上、ご覧ください。なお、無断でのコピーや転載はご遠慮ください。追記・修正箇所は太字・下線にしています。

 
第8章 通過儀礼
 第5節 結婚式
  1 原点
   平安時代の公家の結婚の形態は、男性が3日間女性の元に通ってきたら「三日夜餅の儀」と言って盃事を行いました。室町時代から婚礼は嫁入り婚に変わっていきます。

  2 衣装

   花嫁の式服として打掛(うちかけ)を着用し、髪型は文金高島田(ぶんきんたかしまだ)です。打掛は室町時代以降の女性の衣服の一種で、織や染で表現した豪華絢爛な衣装です。明治時代より前は結婚後は既婚のしるしとして歯を染めるお歯黒が行われました。

   花婿の着る第一礼装は、黒紋付に袴をはき羽織を着ます。袴は仙台平(せんだいひら)とよばれる袴地の縞柄が最もフォーマルとされています。

 
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きもの文化ノート 本文8-4

きもの文化について自分の参考資料として私見を書いています。本文は順不同に、内容を膨らませながら書いています。参照される方はご了承の上、ご覧ください。なお、無断でのコピーや転載はご遠慮ください。追記・修正箇所は太字・下線にしています。

 
第8章 通過儀礼
 第4節 成人式
  1 原点
   成人式は昔の「元服」にあたります。男の子が大人になったことを表すために、服装や髪型を改めるときに行われていた儀式です。

   女子の成人式に当たる儀式を、かつて「裳着(もぎ)」といいました。奈良・古代より行われた鬢削ぎ(びんそぎ)も時代によっては成人儀式のひとつで、垂髪の横の部分を短く切り揃えることです。

  2 衣装

   振袖に重ね衿をし、帯締めは太めの金銀糸を織り込んだもの、帯揚は絞りのものを合わせます。

  
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きもの文化ノート 本文1-3

きもの文化を体系的にまとめられた資料が見当たらないので、自分の参考資料として私見を書いています。本文は順不同に、内容を膨らませながら書いています。参照される方はご了承の上、ご覧ください。なお、無断でのコピーや転載はご遠慮ください。
 
第1章 きものの種類
 第3節 子供のきもの
  1 初着、熨斗目

   宮参りに、赤ちゃんのきものの上にかけるきものをお祝い着(男児の場合は『のしめ』)とよびます。

  2 三歳の祝い着

   三つ身か四つ身の寸法のきものに、兵児帯かしごきを結び被布を着せる装いが多いです。

  3 五歳の祝い着

   きものに羽織を着て、袴をはき懐剣と白扇を持ちます。

  4 七歳の祝い着
   七歳の女の子の祝い着などで、帯の下の方に結ぶものを「しごき」といいます。

  5 十三参り

   「十三参り」の着物は成人の頃までお正月の晴れ着として着ることができます。

 
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きもの文化ノート 本文9-3

きもの文化について自分の参考資料として私見を書いています。本文は順不同に、内容を膨らませながら書いています。参照される方はご了承の上、ご覧ください。なお、無断でのコピーや転載はご遠慮ください。追記・修正箇所は太字・下線にしています。

 
第9章 悉皆

 第3節 仕立て
  1 きもの

   きものの裁断図

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   女性のきものの身頃の寸法で、用尺として必要な裁切寸法は、仕立て上り寸法とむら上げと裾縫込みの合計の長さです。

   仕立ての際の裁ち位置の目印にするために、付け下げなどの着尺の耳に墨印(すみじるし)という印を付けます。

   きものの衽の裁ち方のひとつで、衽先を斜めに組み合わせて裁つことを鉤衽(かぎおくみ)裁ちといいます。用布が不足で布の表裏のない両面物のときに使える裁ち方です。

   表地の裏に胴裏を付けず、八掛だけを付ける仕立てを胴抜きといいます。

   透ける生地の場合、居敷当て(いしきあて)とよぶ布を付けて、透けるのを防ぐ仕立てがあります。

   柄合わせで、横段の模様は、一般的にはずらして仕立てます。中心となる柄があれば前身頃、袖、胸元、衽に持ってくるときれいに見えます。ごく細かな模様なら、柄合わせは気にしなくていいです。

   袖丈は体型よりも、身長やきものの種類、好み・用途で長さを決めます。現在は49cmが多いようです。

   衿下の寸法は体型に関係なく、身長の1/2くらいにします。

   合褄幅は身長から割り出しますが、ふくよかな女性の場合は標準寸法より広く、衽幅と同じにすると着やすくなります。

   裄の寸法は体型によって加減します。

   身丈は、仕立てる丈で男性の場合は身長―26~27cmあるいは身長x0.83~0.85cmくらいを基準として体型によって加減します。男性と女性で同じ身長なら、きものの身丈は女性のほうが長くなります。着付ける丈は着丈といいます。

   はと胸の人のきものは衽下がりを短くして、抱き幅を広くすると、胸にゆとりができます。

   袖の形 元禄袖(げんろくそで)は袖丈が短く、袖の丸みが大きいものです。筒袖(つつそで)は袂の部分がなく、筒のような形をした袖です。船底袖(ふなぞこそで)は袖下が船底形の丸みのある形で、袖口に向かうほど袖が細くなっていきます。

   黒留袖は衿など外から見える部分(袖口、振り、裾、衿下の衽)に布を縫い付けて、二枚重ねたように見せかける比翼仕立てにします。さらに簡略化したのが付け比翼です。

   総絞りの着物には、絞りが伸びるのを防ぐためにごく薄い裏打ち布をとじつけます。

   単衣のきものや単衣襦袢などの袖付けの下や身頃の身八つ口の下を補強するために使う縫い方を、閂止め(かんぬきどめ)といいます。

  2 襦袢

   長襦袢の裁断図 関西仕立てで身頃はひとえ、袖だけ袷です。

   

   長襦袢の丈は対丈に仕立てるのが普通です。袖丈はきものに合わせ、衿には半衿を掛けます。

   半襦袢肌襦袢の脇縫いの下の部分を、着やすいように2寸ほど縫い残してあけた部分を馬乗りといいます。

   関西仕立ては別衿を付けた仕立て方で、深く打ち合わせることができる。

   関東仕立ては衿肩回りから裾まで1本の衿を通す仕立て方です。

  3 八掛

   八掛の裁断図

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  4 一つ身

   後ろ身頃の幅が並幅ひと幅で、背縫いがないのが特徴です。背縫いがないので、背中に背守りを付けます。身長100cmぐらいまで着用します。宮参り初着は広口袖上着・下着の二枚襲ねに襦袢袖をつけ、上・下着には共布で幅広い紐をつけます。

  5 三つ身

   三歳の女児は、現代では三つ身または四つ身の寸法のきものを着るのが一般的です。袖と衿をのぞき、身丈の3倍の布で作ることから三つ身といわれます。背縫いがありますが全体の身幅は一つ身と同じくらいなので、一つ身を着る年齢で着ます。裏表が使える生地を用いる両面裁ち、染物など裏表のある生地を用いる片面裁ちがあります。

  6 四つ身
   袖を除いて身丈の四倍の生地を使うことからの呼び名です。三歳から九歳くらいまでの子供用のきものの仕立て方を四つ身といいます。衽は別布でなく、つまみ衽と言って前身頃の一部分をつまんで縫って仕立てます。

   身長や裄の長さに合わせて、肩あげや腰あげをします。

   子供物の付紐は、男は縫い目を下、女は縫い目を上につけます。

   車裁ちとは、子供の和服の裁ち方の一種で、前後の身頃の幅から、ぐるりと衿布を裁つ方法です。仕立て直しで前後の身頃の入れ替えができます。

  7 羽織

   羽織の裁断図

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   単衣の羽織、コートなどの肩の部分には、肩すべりという裏布を付けます。

  

  8 コート

   コートの裁断図(道中着)

   

   

  9 帯

   名古屋帯 胴に巻く部分は半分の幅、お太鼓部分は8寸くらいの並幅に仕立てる「なごや仕立て」が一般的です。胴に巻く部分を半分にしないで、開いて仕立てる鏡仕立て(開き仕立て)という仕立て方もあります。胴に巻く部分、お太鼓の部分に分ける二部式の「付け帯」は旅行などに重宝します。長さは3m60cmが標準です。標準寸法のたれ丈は3尺(114cm)、たれ幅は8寸(30.4cm)です。

   袋帯 長さが約4.2mです。

   丸帯 最も格式が高く、約68cm幅に織ったものを二つ折りにして仕立てます。

   袋なごや帯 仕立て上がりは幅30cm、長さ3m60cmくらいです。

   綴れ帯、献上博多帯、織袋なごや帯はかがり仕立てができます。
 
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きもの文化ノート 本文8-2

きもの文化について自分の参考資料として私見を書いています。本文は順不同に、内容を膨らませながら書いています。参照される方はご了承の上、ご覧ください。なお、無断でのコピーや転載はご遠慮ください。追記・修正箇所は太字・下線にしています。

 
第8章 通過儀礼
 第2節 七五三
  1 原点
   七五三のお祝いの行事は平安時代から行われた儀式を受け継いだものと言われています。三歳児の祝いは髪の毛を伸ばし始める「髪置きの儀」、五歳の祝いは「袴着」(はかまぎ)が原型となっているといわれます。

   七歳の祝いの原型は、室町時代から行われていた行事で、きものに付けていた紐を取って初めて帯を結ぶ「帯解き」や「紐落とし」とされています。

   七歳五歳三歳と別々に行われてきた儀式をまとめたのが七五三です。

  2 衣装

   三歳 三つ身か四つ身の寸法の着るのが一般的です。帯は兵児帯か、帯を略して被布を着ることもよく見られます。

   五歳 お祝着を着たときに、袴をはき懐剣と白扇を持ちます。

   七歳 付紐を取った振袖や袂の長いきもの(小紋)と帯、帯揚、帯締、帯下にしごき、胸元に筥迫(はこせこ)を挟みます。きものは肩上げをします。

  
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きもの文化ノート 本文8-1

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第8章 通過儀礼
 第1節 宮参り(みやまいり)
  1 原点
   平安時代の儀式、五十日の祝(いかのいわい)が原点と言われています。

  2 衣装

   子供には祝着を着せます。

   
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きもの文化ノート 本文13-3

きもの文化について自分の参考資料として私見を書いています。本文は順不同に、内容を膨らませながら書いています。参照される方はご了承の上、ご覧ください。なお、無断でのコピーや転載はご遠慮ください。追記・修正箇所は太字・下線にしています。

  
第13章 きものを着る
 第3節 コーディネート
  1 振袖

    大学卒業の謝恩会に、袋帯を合わせて着用できます。

  2 黒留袖
    黒留袖は既婚女性の第一礼装として、結婚式などに新郎新婦の親族並びに仲人婦人が着用します。帯はきものと調和の良い色で、吉祥文様の袋帯を合わせます。バッグや草履は、帯と色合いの似たものを合わせます。黒い骨の、金・銀の地紙が貼られた末広を左胸の下あたりに挿し、白い帯揚げ、白または白・金の帯締めを合わせます。

    長襦袢は白地がふさわしいです。

  3 色留袖

    結婚式や披露宴に新郎新婦の親族として着る場合は、白の帯揚に白の帯締を締めます。

    友禅染の色留袖に、錦織の袋帯などを合わせます。
  6 喪服
    告別式で着用するのに相応しいきものです。

  7 小紋

    全身に花柄を散らした小紋には、無地感覚の織りなごや帯などを合わせます。

レストランでの食事に着用できます。

  8 紬

    紬のきものには、半幅帯、なごや帯又は袋なごや帯などを締めます

    シンプルな縞紬には季節の草花を染めた塩瀬なごや帯などを合わせます。紬の帯を合わせることもできます。

    食事会に、大島紬に染め帯を合わせて着用できます。友人宅での気楽な集まりには絣など着用できます。

  9 浴衣

    浴衣には、半幅帯、兵児帯、麻の袋なごや帯、紗献上博多帯などを締めます。

    小物には、絽の帯揚げ、レース組みの帯締めなどをあわせます。

    通常は浴衣の下に長襦袢は着ず、肌襦袢裾除けか、浴衣下などをあわせます。

  10 袴
    袴には、小紋や色無地など自由に合わせることができます。

  11 羽織

    羽織は室内でも着用できますが、茶室では着用できません。

  13 男性のきもの

    第一礼装は、羽二重の黒紋付のきものと羽織・仙台平の袴を着用します。結婚式に招待された場合、染め抜き五つ紋付縮緬のきものと羽織、袴、白の半衿を合わせます。

    恩師の祝いなど特別な会には、一つ紋付お召のきものと羽織、無地袴、色付きの半衿などを合わせます。

    クラス会などの気軽な集まりやレストランでの食事には、紬のきもの、同素材同系色の羽織、色付きの半衿などを合わせます。

    羽織、袴をつけない、きものと帯だけの着こなしを着流し(きながし)といいます。小紋染の着流しは友人宅の気楽な集まりに着用できます。

  14 男性の羽織

    羽織ときものは同系色の濃淡であわせてもよいし、羽織が小紋柄できものが無地の紬という組み合わせもできます。

  15 色無地

    一つ紋を入れて、綴れ織りの袋帯を合わせて、茶道教室の初釜に着用できます。

 
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