きもの文化ノート 本文1-1
きもの文化について自分の参考資料として私見を書いています。本文は順不同に、内容を膨らませながら書いています。参照される方はご了承の上、ご覧ください。なお、無断でのコピーや転載はご遠慮ください。追記・修正箇所は太字・下線にしています。
第1章 きものの種類
第1節 女のきもの
1 振袖
袖丈の長さによって、大振袖、中振袖、小振袖とよばれています。友人の披露宴、パーティ、大学の謝恩会などで着用できます。未婚女性の礼装として正式なきものです。
2 黒留袖
黒留袖の模様は裾に絵羽模様が付けられています。他の部位には模様はありません。(絵羽模様とは身頃、衽、袖などの縫い目をわたって模様が繋がって付けられているものです。)地色は黒の一色染です。模様は伝統的な古典柄やおめでたい吉祥模様のものが多いです。(吉祥模様とは、縁起の良いとされる動植物や道具などを描いた図柄です。)
3 色留袖
黒地以外の色地の裾模様で、一つ紋の色留袖は、訪問着よりもややフォーマルな装いとして着用できます。
告別式に着用します。黒一色の無地のきものに黒無地の共帯を締めます。通夜・告別式以外には色喪服として紫、紺、グレーなどの無地のきものも相応しいきものです。
5 訪問着
肩、胸、袖、裾に絵羽模様が付けられています。フォーマルなお出かけやパーティなどに着用します。
6 付下げ
反物の状態で染めます。仕立てた時、肩山や袖山を頂点に、模様がすべて上向きになるように柄付けされています。訪問着より模様が簡略化され、あっさりした柄付けの絵羽文様もあります。
小紋よりは格があり、訪問着ほど改まらないので、着こなしの場が広いきものです。
7 色無地
一色染のきものです。生地の地紋で模様が表されています。同色の裾ぼかしも色無地です。黒共帯を合わせれば通夜や法事の装いになります。
8 小紋
全身に模様が表されています。様々な文様を一方向に繰り返し型染されています。小紋の生地を使用して羽織を作ることもできます。色数に決まりはありません。
9 紬
紬は真綿糸や玉糸などを用いた先染めの織物です。(糸を染織して織り上げるものを先染めといいます。)
10 浴衣
入浴の際に着た「湯帷子(ゆかたびら)」が次第に入浴後に着られるようになったものです。柄には歌舞伎役者にちなんだ、伝統的なものもあります。格子状に太い糸を織り込んでいるものを紅梅(こうばい)といいます。伝統的には紺と白の2色ですが、現在では様々な色や模様の浴衣があります。ゆかたには綿縮や絹の生地を使った絹紅梅もあります。
帯は半幅帯、角帯、兵児帯を締めるのが一般的です。
11 袴
女袴は一般的に襠の無い行灯袴の構造をしています。小紋と合わせて卒業式などに着用することが多いです。
12 羽織
かつては紋付の黒羽織は準礼装としてよく見かけました。最近、おしゃれ羽織は若い人たちにも注目されています。羽織の着丈は自由で長くなるほどクラシックな雰囲気になります。単衣(ひとえ)仕立てと袷(あわせ)仕立てがあります。
羽織は茶室以外であれば、室内で着ていてもかまいません。
紅葉が色づき始めたら着用し、桜が満開になったら帯付姿になります。
13 コート
コートは外出時に着るもので室内では脱ぎます。羽織の上にコートを着ることもできます。模様は無地や絵羽など様々です。薄物のコートは塵除け(ちりよけ)に、ころもがえより早く夏素材を着てもかまいません。雨コートは撥水加工した繻子地が多いです。
コートの着丈は自由です。着用時期は羽織とほぼ同様です。
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