きもの文化ノート 本文2-6
きもの文化について自分の参考資料として私見を書いています。本文は順不同に、内容を膨らませながら書いています。参照される方はご了承の上、ご覧ください。なお、無断でのコピーや転載はご遠慮ください。追記・修正箇所は太字・下線にしています。
第2章 染めのきもの
第6節 江戸小紋
1 特徴
江戸小紋(東京染小紋)は伊勢型(伊勢型紙)を用いて染められます。約6.5mの樅の木を使った長板の上で型糊(防染糊)を置いた後、地色糊をヘラでしごきながら塗布するしごき染を行います。型置きをするときに連続して柄をつないで置きますが、星という目印で柄をつないでいきます。柄が彫られた部分は白色になります。
細かい柄を繰り返し染めた一色染めで、遠目には無地に見えます。江戸っ子の遊び心を体現したような柄は、町人の間で流行しました。
武士の裃の柄が源となった柄は格が高く、一つ紋を入れて準礼装とすることもできます。裃に用いられた柄は武家ごとに定められていたので留柄ともいいます。
江戸小紋の名称は、昭和時代に重要無形文化財の認定の際に付けられました。
2 小紋三役
江戸小紋の代表的な模様である「鮫」「行儀」「通し」は小紋三役と呼ばれています。
・鮫(さめ) 細かい点を鮫皮状に並べた文様です。
・行儀(ぎょうぎ) 小さな丸い点が斜めに並んでいる文様です。
・通し(とおし) 小さな丸い点が縦横に整然と並んでいる文様です。点が角のものを角通し(かくどおし)といいます。
3 その他の小紋
江戸小紋の文様で三役以外にも多くの文様があります。
・万筋(まんすじ) 非常に細かい縦縞の文様です。
・松葉(まつば) 二本の細長い針のような葉が付け根で一つに繋がっている文様です。
・結び文(むすびふみ) 手紙を細くたたんで、ひとつ結びにしたものの文様です。
・霰(あられ) 降る霰を図案化したもの。不規則な点が配置されます。
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