機の音 はたのね

きものに関連する様々なことを書き残すブログです。

きもの文化ノート 本文2-8

きもの文化について自分の参考資料として私見を書いています。本文は順不同に、内容を膨らませながら書いています。参照される方はご了承の上、ご覧ください。なお、無断でのコピーや転載はご遠慮ください。追記・修正箇所は太字・下線にしています。

 
第2章 染めのきもの
 第8節 その他の染め

  1 ろうけつ染め

   蝋(ろう)を使用した染色技法で、模様部分を蝋で防染し染色する伝統的な染色法です。

  2 すみ流し

   水面に墨汁を落とし,次いで油か松脂(まつやに)を落とした後,わずかに動かしてできる不規則な模様を布に写しとる技法です。

  3 注染(ちゅうせん)
   浴衣の代表的な染め方です。長さ約1メートルの型紙を生地の上に置いて防染糊を全面に塗布し、作業のたびに生地を24枚、または48枚にたたみかえして、模様が交ざらないように堰を作り、上から色ごとに染液(せんえき)を注いで染めるので、注染中形ともいいます。紺白のゆかたは「一色染め」、多色づかいのゆかたは色ごとに染める「差分け染」、数枚の型紙を用いて「差分け染」を繰り返して繊細な紋様を染める「細川染め」があります。

   注染の技法は大阪で生まれ、東京や静岡でも生産され、静岡では「浜松注染」として郷土工芸品にも指定されています。

  4 長板中形(ながいたちゅうがた)

   江戸時代から続く伝統的な浴衣の染色技法です。長い板の上に生地を貼って型紙を置き、糊置きします。浸け染のため、両面に糊置きを施します。別名「江戸中型」とも呼びます。

  5 黒染め

   黒染めには、浸染と引き染めの2つの技法があります。浸染は高温の染液の中に生地を浸し、蒸しを行わずに染める染め方です。藍で下染めした黒を藍下黒といいます。植物染料と媒染材を3回引き染して、深い黒色になる染色を三度黒と呼んでいます。
 
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