きもの文化ノート 本文3-6
きもの文化について自分の参考資料として私見を書いています。本文は順不同に、内容を膨らませながら書いています。参照される方はご了承の上、ご覧ください。なお、無断でのコピーや転載はご遠慮ください。追記・修正箇所は太字・下線にしています。
第3章 織りのきもの
第6節 その他の素材
1 木綿
綿は浴衣(ゆかた)の代表的な素材です。
福岡県久留米市(久留米絣)、鳥取県米子市(弓浜絣)、広島県福山市(備後絣)、愛媛県(伊予絣)、阿波しじら織、薩摩絣などが有名で、一般的には藍染めが多く、絵絣で模様を表現したものがあります。久留米絣、備後絣、伊予絣は三大絣と呼ばれていました。
しじら織にはシボがあります。主に夏用に着用されます。海部ハナという女性が、木綿布が雨に濡れて縮み、シボになったのをヒントに、改良が加えられてしじら織になったといわれます。
沖縄で織られている織物にミンサー織があります。「ミン」とは木綿を意味し、「サー」は「幅の狭い帯」を意味するといいます。
2 藤布(ふじぬの)
蔓性の落葉灌木である藤の樹皮からとった強くしなやかな繊維で織った布です。葛布、科布とともに原始布と呼ばれます。
3 葛布(くずふ)
葛の蔓を紡いで糸にします。
4 科布(しなぬの)
科の木の繊維で織られた布です。
5 ビロード
ポルトガル語からきたもので天鵞絨と書きます。平織りか綾織の縦糸の表面に短い羽毛(パイル)を織り出してあり、柔らかな肌触りと深みのある色艶や光沢感が特徴のパイル織物です。
6 佐賀錦(さがにしき)
金銀の箔や漆を置いた和紙を裁断したものを経糸とし、多彩な絹糸を緯糸にして織りあげた織物です。竹べらですくって緯糸を通して織ります。
7 裂織(さきおり)
古裂を細く裂いたものを緯糸にして織り込んだ厚手の織物です。丈夫なので仕事着や、保温性に富むので防寒着にもされました。
8 紙
和紙で作ったきものを紙子(かみこ)といいます。和紙を細く切り、撚りをかけて糸にしたものから作られた布を紙布(しふ)といいます。紙布のなかでも経糸、緯糸ともに紙糸を用いて作られたものは諸紙布(もろしふ)といいます。
9 毛氈(もうせん)・フェルト
羊毛や獣毛などを、薄く板状に固めた不織布です。
10 生平(きびら)
大麻または苧麻を績み、未晒しのまま織りあげた布です。
11 引き箔(ひきはく)
帯に使われる本金の引き箔は三椏(みつまた)の和紙にうすく溶いた糊で目止めをし、柿渋を塗ります。そのうえに漆をヘラで均等にうすく伸ばし、本金箔を押します。漆の使い方によって金箔を光らせたり錆びさせたりします。
12 キャラコ
固く撚った糸で目を細かく織った薄地の綿布に糊づけ等を施し艶出ししたものをいいます。
13 芭蕉布
沖縄に産する糸芭蕉の繊維から採った糸で織った布です。
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