機の音 はたのね

きものに関連する様々なことを書き残すブログです。

寿ぎのきものジャパニーズウェディング

 そごう美術館で「寿ぎのきものジャパニーズウェディング」を観てきました。寿ぎは、ことほぎと読みます。

 

 場所は神奈川県横浜市にある横浜そごう百貨店内のそごう美術館です。私はJR東海道線横浜駅から歩きました。

 

 展示スペースはフロアの五分の1のみで広くはありませんが、中にいるとそれは感じませんでした。

 

 展示内容は婚礼衣装と婚礼に伴う調度品、江戸時代の婚礼に関する資料などです。多くは江戸時代のものでしたがその後の明治、大正、昭和初期の衣装もあり時代の変化を見ることができました。

 

 指定の数点は写真撮影の可ということで写してきました。見応えがあったのはやはり江戸時代の衣装です。午前・午後・夜と時間の経過を色に表して白、赤、黒を地色とした衣装に着替えるのですが、刺繡などの装飾が凝っていて素晴らしかったです。

 

寿ぎのきものに着目しての展示会は珍しく、初めて知ることも多くて楽しめました。

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白無垢

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きもの文化ノート 本文12-1

きもの文化について自分の参考資料として私見を書いています。本文は順不同に、内容を膨らませながら書いています。参照される方はご了承の上、ご覧ください。なお、無断でのコピーや転載はご遠慮ください。追記・修正箇所は太字・下線にしています。
 
第12章 影響を与えた人
 第1節 染織関係
  井上伝(いのうえでん)
   久留米絣は、井上伝という少女が、古着の白い斑点にヒントを得て、糸を括ってから染めて織ったところ、白い斑点状の柄ができ、その後改良を重ねて木綿絣として有名になりました。
  海部ハナ(かいふはな)
   阿波しじら織は、海部ハナという女性が、濡らしてしまった木綿の布を乾かしたところ、生地にシボができ、それから改良を重ねて現在のしじら織になったといわれています。

  城間家(しろまけ)と知念家(ちねんけ)

   琉球時代には、紅型三宗家という紅型専門の染め物業を営む家がありました。城間家と知念家は第二次世界大戦後、紅型の復興に際して大きな功績がありました。

  富田久三郎(とみたきゅうさぶろう)

   備後絣の功労者で、25歳のときに「井桁絣」を考案しました。

  鍵谷カナ(かぎやかな)

   伊予絣の創始者です。20歳のときに絣柄を織り出します。竹の縄目跡のまだらを見て、織り柄の参考にしたとの説があります。

 
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藤澤浮世絵館 江の島浮世絵展

 藤澤浮世絵館で「江の島浮世絵展」を観てきました。

 

 場所は神奈川県藤沢市で、ココテラス湘南7階にあります。私は東海道線辻堂駅から歩きました。

 

 展示スペースは7階のみで、6階は他の企画展が開催されていました。作品数も多くはありませんが、藤沢市のコレクション展示ということで観覧料は無料でした。

 

 作品の多くは歌川広重作で、江の島参詣や江の島周辺の浮世絵でした。数点ですが古い屏風や泥絵がありました。

 

 江の島参詣の絵は、江戸時代、弁才天の開帳があると大勢が江戸から詣でた様子が大判錦絵三枚続で描かれていて、迫力があります。衣装や持ち物にも特徴があり、持っている傘の紋様でどういった人々かを表しています。

 

 喜多川派や歌川国芳の浮世絵もあり見応えのある展示でした。

 

 写真撮影は可ということで数枚撮りました。

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ポーラミュージアムアネックス 若槻せつ子「打掛」コレクション

 ポーラミュージアムアネックスにて若槻せつ子「打掛」コレクションをみてきました。

 

 場所は東京都中央区銀座で、POLA銀座ビル3階にあります。私は地下鉄銀座線の銀座駅から歩きました。展示スペースは3階のみで、作品数も13点と少ないものでしたが、入館料無料ということで不満はありませんでした。

 

 作品は、1980年から2000年にかけて制作された打掛です。ファッションディレクターの若槻せつ子さんが長年かけて集められたものです。展示作品は、金彩友禅、ピカソ絵画、鳳凰唐花模様、老松飛翔鶴模様など多種ありました。

 

 作品の中には、山本寛斎氏プロデュースのもの、山口百恵さんが結婚式で着用したのと同じデザインのものもありました。打掛は式典での衣装ですが、まるで絵画のようでいつまで見ていても飽きない奥深さがありました。

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会場内は照明を落としてありましたので、明るさを足しています。多少不自然な色もありますがご了承ください。

女子美術大学美術館 柿内青葉展

 女子美術大学美術館で「柿内青葉展」を観てきました。

 

 場所は神奈川県相模原市で、女子美術大学相模原キャンパスにあります。私は小田急相模大野駅からバスで行きました。

 

 展示スペースは1階のみで、作品数も少ないものでしたが、入館料無料ということで不満はありませんでした。

 

 作品は、大正から昭和にかけて活躍した日本画家、柿内青葉(かきうちせいよう)の絵が5点、関連する印刷物や書簡、絵筆などの他、同時代に活躍した日本画家の絵が数点ありました。

 

 柿内青葉は、鏑木清方に師事しており弟子の中でも突出した力量があったようです。

 

 展示作品名は、「十六の春」「月見草咲く庭」「嫁ぐ人」「春の装ひ」「作品名不詳(水仙)」で、帝展入選作品も含まれています。着物の描き方がどれも丁寧で自然に見えました。数少なくても見応えある展示会でした。

 

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美術館入口

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パンフレット表

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パンフレット裏

 

きもの文化ノート 本文9-2

きもの文化について自分の参考資料として私見を書いています。本文は順不同に、内容を膨らませながら書いています。参照される方はご了承の上、ご覧ください。なお、無断でのコピーや転載はご遠慮ください。追記・修正箇所は太字・下線にしています。
 
第9章 悉皆
 第2節 採寸
  1 子供

    三歳と七歳の女の子は着丈と裄丈を測ります。着丈は首の付け根からくるぶしまで、裄丈は衿の中央から袖の先までの長さです。

    五歳の男の子は、着丈、裄丈、袴丈または紐下丈を測ります。袴丈は袴の前紐の下から袴の裾までの長さです。

  2 女性
    きものの寸法には鯨尺が使われます。1尺は38cmです。曲尺(かねじゃく)を用いるところもあります。

    身丈 身長を測ります。

    袖丈 身長の3分の1を基準にします。近頃は49cm(1尺3寸)が多いようです。

    裄 女性用と男性用で測り方は同じです。両手くるぶし間を二等分する方法と、首の後ろの付け根(ぐりぐり)から肩を通って手首のくるぶしまでの長さを測る方法があります。

   3 男性

    男性のきものはおはしょりをしないで着るため、女性の採寸に加えて着丈を測ります。首の付け根から、床までの垂直の長さから4センチ引きます。

  
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河本蓮太郎展「時の布」

 河本蓮太郎展「時の布」を観てきました。

 

 場所は「ギャラリーピクトル」で神奈川県鎌倉市にあります。私はJR横須賀線鎌倉駅から歩きました。徒歩で9分の場所です。

 

 スペースは約17m2、約24m2の2部屋で構成されています。作品は古布を裂き、染色し、織り機を使って新たなイメージを織り込んだものです。「時の布」展では禅宗の伝来と茶の湯の興隆が織物文化の発展に関わっていたことに基づいて、禅の世界とリンクしながら、過去・現在・未来へとつながる時間を作品に折り込むことに挑戦しています。

 

 私は織物のアート作品を観るのは初めてでした。四角ではない織物、額縁に飾る織物、岩を模して立体的にした織物など、全ての作品が新鮮でした。織物の可能性が私の中で広がって、なんだか嬉しい気持ちがしました。

 

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